源泉掛け流しの温泉
伊東温泉は大別して3種類の泉質があるとされております。大東館はほとんど同じ泉質の源泉を3本有し、混合泉として使用しております。泉質は弱アルカリ性単純温泉で、関節痛、五十肩、疲労回復、慢性消化器疾患、リウマチ、神経痛、筋肉痛、アトピー、痔疾等に効果があります。
浅い源泉は地下120m、深い源泉は地下800mまで掘られております。水位は地下10〜20mのところにあり、水中ポンプ20mほどおろしたところに設置し、温水を揚水しております。計毎分297リットルの湯量が湧き出してます。
湧出の湯の温度は45〜52℃あります。高架水槽に集められた温泉は、自然落下により、大浴場、露天風呂、貸切風呂、客室のお風呂及びシャワー、洗面所等に配湯されております。
湯舟の温度調整は湯量によって決められてます。温泉量を多く出しますと高温に保たれ、少なく出しますと低温になります。家庭のお風呂のような加水による湯加減はしておりません。
伊東市には『伊東温泉組合』という組織があり、温泉に関しての許認可、調査、検査等を保健所と連携して行っております。例えば、『源泉が古くなり湯の温度が低下した』、『湯量が少なくなってきた』『モーターポンプを新しいものに取り替える』というようなことが発生した場合、まず『伊東温泉組合』に相談して行動を進めなければなりません。源泉を中心に100m以内にある源泉所有者の同意を得る等、なかなか難しいものがあります。『湯量を増やす』『源泉を新設する』ことは、伊東温泉では不可能といえます。既存の温泉を守り、乱開発を許さないということです。
旅館、ホテルにおいて、建物やお風呂を大きくしたり増やしたりしますが、源泉の湯量は増やすことは出来ません。その代わりとして加水、循環を利用することになります。本物の温泉から遠ざかってしまいます。アンバランスが生じてしまうことは、やむ得ないことです。
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